浅野レーシングサービス

TOYOTA GR86(ZN8)

ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第5戦 スーパー耐久レース in オートポリス

◾️開催地:オートポリス
◾️開催日:2025/7/26-7/27

7/26 フリー走行・予選

予選:5位 
【Aドライバー浅野武夫:2分8秒184】 
【Bドライバー伊藤慎之典:2分5秒686】

スーパー耐久2025第5戦は、7月26日27日に九州オートポリスにて開催された。ST-4クラスは第1戦のRace1、Race2にどちらも参加、第2戦鈴鹿と第3戦富士24時間は参加であったものの第4戦SUGOはスキップであった為、このラウンドは実質第5戦となる。昨年に引き続き7月末に設定されたこのラウンドは、気温30度、路温50度を超える酷暑が想像された。木曜日、まずは伊藤がマシンチェックを行った後、18号車で初めてのオートポリス走行となる三上がコース習熟の為走行を重ねた。しかし2本目の走行で浅野がピットアウトしようとするとマシンがピットロード上でストップ、暑さの為か燃圧が上がらず燃料系トラブルが発生したと思われ、マシンはピットへと戻されると浅野はレーシングスーツ姿のままメカニックとトラブルシューティングを行った。2時間のテストセッション終了間際にマシンは修復完了し、藤原がコースインしてトラブルの解消を確認した。翌金曜日はマシンセットアップを変更してNEWタイヤも投入、浅野の予選シミュレーションとアライメント含めたさらなるセットアップの煮詰めとタイヤライフの確認を行った。しかし、すべてのセッションを終了した後のマシンメンテ時に再度燃料トラブルが発生、浅野はマシンと再び向き合ってトラブルシューティングを行い翌日に備えた。翌予選日のフリー走行で、伊藤と三上はマシントラブルの解消を確認、三上もまずまずのタイムを記録して予選への期待が膨らんだ。Aドライバー予選で浅野は計測1周目で昨年のタイムを上回る2分8秒184をマーク、2周目さらにベストタイムを更新してセクター3に入り期待がかかったが、最終コーナー手前でスロー走行中のST-5クラスを追い抜く際、相手が突如進路を変えたために浅野は接触、そのままピットインしてマシンチェックを行った。接触の影響は思ったよりも少ないように思え、チームはマシンチェックしてBドライバー予選に臨んだが、コースイン直後の伊藤からチェックランプ点灯とオートブリッピングが効いていないとの無線が入った。伊藤はそのままアタックに入ったが、オートブリッピングの有無でエンジンブレーキのかかり方が変わる事もあり、1周目のアタックは取りやめ2周目にかけたが、タイヤのピークグリップは失っていたことでタイムはクラス5番手の2分5秒686となり、AB合算のグリッド順位も5位となった。チームはセンサー系のトラブルを疑い、交換して三上をCドライバー予選に送り出したがトラブルは解消しておらす、三上は計測2周、2分10秒999をマークして早々にピットインした。Dドライバー予選前にチームはさらにセンサーを交換して藤原がピットアウト、トラブル解消の無線が入りチームは胸をなでおろすと、藤原は燃料多めにもかかわらず2分8秒935をマーク、「マシンバランスが良く乗りやすい」とのコメントもあって、チームは決勝のマシンセットに自信を持つことができた。チームはマシンチェックとメンテナンス、ピットワーク練習を行い、レース戦略を検討して日曜日の決勝に備えた。

7/27 決勝

決勝:5位  
(浅野武夫:28周)(伊藤慎之典:43周)(三上和美:18周)(藤原大暉:43周)

今回のレースは5時間、義務ピットイン回数は3回、給油は容量20Lの指定給油ボトル使用となり1回のピットストップでの最大給油量は3本60Lまで、1回のピットストップで2本以上入れる場合は90秒のピットストップが課せられることとなる。また、Aドライバーの最低運転時間は75分以上であるが、65歳以上のドライバーはその20%が免除される為、浅野の最低運転時間は60分となり、残りの15分は三上が受け持つこととなる。今回のチームの基本戦略は三上→浅野→伊藤→藤原でつないでコースコンディションの良い状態で三上と浅野が走り、ボトル1本給油を1回、3本給油を2回として後半追い上げる作戦を採る事とした。午前11時4分、少し霧雨の降る中、気温25℃路温29℃のドライコンディションで5時間の決勝レースは始まった。スタートドライバーの三上は884号車影山選手の後方5位でスタート、スタート直後の1コーナー立ち上がりで60号車大原選手にインに入られた三上はここでは無理をせずに先を譲り、1周目は2分9秒台をマークすると、その後はバトルを重ねる884号車、60号車をしっかりと視界にとらえて10秒~12秒台で走行を重ねた。11周経過時点で60号車との差は1.1秒、14周目、ピットスタートから追い上げてきた軽量の37号車NCロードスター大谷選手に12コーナーでオーバーテイクされて三上は7位となるがそれでも6位との差は2.5秒、三上は前車から離されることなく18周を安定して走行するとピットイン、浅野へ交代、タイヤ4本交換とボトル給油1本でピットアウトした。浅野は8位でコース復帰するとインラップからいつも以上に攻めの姿勢で2分10秒~13秒台でラップを重ねるが、コースイン時のスピードリミッター解除が早く、ピットレーン速度違反でドライブスルーペナルティを受けてしまう。26周目浅野はこれを消化するとロスタイムは約19秒、痛いロスとなってしまったがレースはまだ4時間以上残っており、浅野は徐々に気温・路温共に上昇する中、粘り強く走行を重ねた。ST-4クラスでAドライバースタートの戦略を取っていたのは884号車と41号車であったが、どちらも2分11秒~12秒で走行している。34周目に884号車と41号車がピットインしてどちらもBドライバーへ交代したが、884号車は3本給油、41号車は1本給油でピットアウトした。35周目、6位となっていた浅野は884号車に10コーナーでオーバーテイクされ7位となるものの、41号車はドライバー識別ボタンを押し忘れたのか再度ピットインし浅野の背後へとピットアウトした。36周目、浅野は6コーナー立ち上がりで41号車にオーバーテイクされて8位となるものの、その後は安定したペースで走行を重ねた。42周目、60号車がピットインしてボンネットを開けトラブルシューティングを開始したため浅野は7位へ浮上、44周目には290号車スイフトがピットインしたため6位となり、46周目浅野はピットインして伊藤へ交代、タイヤ4本交換とボトル給油3本でピットアウトした。伊藤は7位でコース復帰すると、48周目には290号車スイフトを10コーナー手前でオーバーテイクして6位へ浮上、50周目には2分8秒932をマークして、上位勢が2分9秒~10秒台のラップを刻むなか、タイヤをマネジメントしながら遜色ないラップタイムを重ねていった。70周目、3コーナーでのTCR車両のクラッシュによりFCY導入、71周目から5周にわたってSCとなった。このタイミングで71周目に3号車、74周目に66号車と884号車が義務ピットインをこなすが、伊藤とチームはここでピットインしてもメリットが出ないためステイアウトを選択した。しかしここで3本給油の義務ピットインをこなせたか否かが勝敗を左右することとなる。伊藤は78周目のホームストレートで37号車 NCロードスターをオーバーテイクして5位となると89周目、43周を走破してピットインし藤原へ交代、タイヤ4本交換とボトル給油3本でピットアウトした。藤原は5位でコース復帰すると91周目に2分9秒445をマーク、上位とそん色ない2分9秒~10秒台のラップをコンスタントに刻んでいった。98周目、4位の41号車が最後のピットインをこなすとその差は約17秒、藤原はここからの追い上げを果たしたいところであったが、マシンバランスが徐々にアンダーステアとなるに従いラップタイムペースも2分10秒~12秒となって、残念ながら41号車冨林選手を追い詰めるには至らなかった。そして16時6分、WedsSport GR86は132周を走破して5位でチェッカーを受けた。

【チーム監督コメント】

浅野 真吾

「2025スーパー耐久真夏のオートポリス。今回、久しぶりにレースコントロールをやらせていただきました。フリー走行からマシンのスピード、セットアップは良く、戦闘力のあるマシンになりました。予選はAドラ時に不運もありましたが、決勝に向け手ごたえを感じました。決勝は予定通り安定したラップタイムを刻み、ドライバー・メカニック共に精一杯頑張ってくれました。結果こそSCに泣きましたが良い走りが出来たと思います。今シーズンは残り最終戦富士のみとなりましたが引き続きチーム一丸となり頑張ります。応援ありがとうございました。」

【ドライバーコメント】

浅野 武夫

「三上選手のペースがとても良かったので、私がその後プレッシャーを感じすぎてしまい、結果としてピットロード速度違反をしてしまいました。そこが本当に悔やまれます。ただ、走り始めてみればマシンも非常に安定していて、レース全体の流れも悪くなく、久しぶりに心から楽しいと思えるレースができました。最終戦に向けては、しっかりと準備して、チーム一丸となってさらに上位を目指したいと思います。応援よろしくお願いします。」

伊藤 慎之典

「去年は決勝中にエンジンが壊れてしまい、完走扱いにならなかったオートポリスですが、今年は決勝ノートラブルで走り切ることができました。レースウィークの中で個人的にはBドライバーとして予選でトップタイムを取ることを優先して臨みました。木曜日、金曜日となかなか程度のいいタイヤで走るタイミングがなく、実車でのイメージを作れずに予選を迎えてしまいました。SIMでトレーニングして来たイメージのみでのアタックとなりましたが、うまく噛み合わず本来のポテンシャルを発揮できませんでした。決勝は自分のスティントがロングになるとのことだったので、タイヤを残しつつラップアベレージを高くすることだけを考えました。車のアンダーオーバーのバランスをタイヤの消耗度合いでコントロールでき、ものすごく乗りやすい環境だったので自分の中ではかなりいいペースでラップできたと思います。しかし、SC解除後すぐはタイヤを冷ましすぎてしまった影響か、表面がザラザラしているような感触になってしまい、戻すのに少し時間がかかったことは次戦以降気をつけるポイントだと感じました。次戦は3ヶ月以上先の最終戦になります。シリーズチャンピオンの可能性はもうありませんが、武夫さん、三上さん、そして大暉と表彰台に立ちます!応援よろしくお願いします!」

三上 和美

「今回は、私自身にとって初めてのオートポリスでのレースでした。不安と楽しみが入り混じる中、サーキットへと足を踏み入れました。レースウィークは、チーム全員で協力しながらセットアップを丁寧に煮詰めていきました。その結果、決勝ではマシンのバランスが非常に良好で、エンジンのフィーリングも力強く、安心してドライビングに集中することができました。展開としても、「これまでで一番しっかりとレース運びができた」と自信を持って言える内容となり、大きな手応えを感じています。その要因として何より大きかったのは、やはり事前にしっかりと準備ができていたこと。改めて、準備の質がそのままレース結果に直結することを、今回の経験で身をもって体感しました。事前練習でご協力いただいた森さん、武夫さんには、いつもながら心から感謝しています。GR86でオートポリスを走る楽しさ、そしてそのエキサイティングな感覚は格別で、この経験を通じて、自分自身が一段ステップアップできたという実感があります。マシンの調子も確実に上向いており、手応えも十分です。次の最終戦こそは表彰台を目指し、これまで以上に準備とトレーニングに力を注いでまいります。いつも応援してくださるファンの皆さま、そして支えてくださるスポンサーの皆さまに、心より感謝申し上げます。」

【チームよりお知らせ】
スーパー耐久レースレポートが、Cドライバー三上和美の執筆によって
モータースポーツ情報サイト&Raceコラム – &Race (andrace.jp)に掲載されております。ぜひご覧ください!

藤原 大暉

「オートポリスでのレースは、自分にとって久しぶりの参戦となりました。限られた時間の中で感覚を取り戻しながら、セットアップを進めていきました。予選日には、浅野選手のアタック中に接触されるというアクシデントが発生し、車両にトラブルが出てしまいましたが、メカニックの皆さんや、GRエンジニアの方々の迅速かつ的確な対応により、Dドライバー予選までに完璧に修復していただきました。決勝日は猛暑の中、各クラスでトラブルが相次ぐ中でも、順調に走行を続けることができました。ペナルティはありましたが、大きなトラブルもなく無事にチェッカーを受けることができ、安心としています。まだまだ上位に追いつくためには試行錯誤が必要ですが、チーム一丸となってベストなリザルトを残せるよう、これからも精進してまいります。今大会も温かい応援をありがとうございました。」

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