浅野レーシングサービス

TOYOTA GR86(ZN8)

ENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE
第7戦 S耐FINAL 大感謝祭

◾️開催地:富士スピードウェイ
◾️開催日:2025/11/15-11/16

11/15 公式予選

予選:7位 
【Aドライバー浅野武夫:1分58秒314】 
【Bドライバー伊藤慎之典:1分56秒534】

公式予選当日。A、B、C、Dの各ドライバーによるアタックが予定され、チーム全員が緊張感を持ってこの時間を迎えました。

Aドライバー予選では路面温度が低く、上位クラスの車両に引っかかりポジション取りに苦戦している状況。それでも5周目に1分58秒314を記録し、まとめ切るところはさすがです。

浅野武夫選手コメント
「予選は上のクラスと終始一緒に走行する形になってしまって、うまくいきませんでした。24時間の富士の時もうまくいかなかったんですが、まあ下手なんですよ。明日の決勝に向けて車のバランスも調整して良くなったので、その辺は安心して走れそうです。頑張ります!」

Bドライバー予選 (Gr.2)
Bドライバー予選は事前のセットが出きらず、思うようにタイムを伸ばせない展開。それでも1分56秒534を記録。クラス5位のタイムを叩き出しました。公式予選は、A・B両ドライバーの合算タイムでST-4クラス7位という結果で終えました。

伊藤慎之典選手コメント
「車のセットを最後まで詰め切れず、タイムを思うように伸ばすことができませんでした。ただ、その後のC・Dドライバー予選でセットを変更したところ、良い方向に変化があったと聞いています。明日の決勝では、その手応えを活かしてしっかり走りたいと思います。 少しでも良いラップを重ねて、ひとつでも前の順位でチェッカーを受けられるよう全力を尽くします」

Cドライバー予選(全クラス混走)
Cドライバーの私は程度の良いオールドタイヤを使い、新しいセットの確認をしながら軽めの燃料でコースインしました。今回は10分という短いセッションで、アタックできるのは実質2周のみ。

最初はタイヤがしっかり冷えているので注意するよう、事前にアドバイスをもらっていました。

22番ピットという位置の関係もあり、早めに出てしまうと抜かれるばかりで落ち着いて走れないと判断し、チームの決断でいちばん最後にコースインすることに。ところが57台の同時走行でピットロードは大渋滞。その最後尾からコースに出ると、1コーナーに向かう前からすでに速い車両が背後に迫っていて、「今日はどこで出てもクリアラップは取れないな」とすぐに悟りました。

それでもタイヤをしっかり温め、今回大きく変えたドライビングに少しでも順応できるようにとにかく集中。上位クラスのマシンに次々と抜かれながらも、限られた中でタイムを積み上げ、アタック2周目には1分58秒285をマーク。ST-4クラス3位で予選を通過することができました。

決勝でも同じタイムを出せるよう全力を尽くします。頑張ります!

Dドライバー予選(全クラス混走)
Dドライバー予選は決勝シミュレーションとして、満タン&私の使ったオールドタイヤで行いました。結果はいつも通りの1位で、1分58秒045を記録。やっぱりすごいです。

藤原大暉選手コメント
「昨日の走行でセットアップの方向性を探っていたのですが、A・Bドライバー予選ではフィーリングがいまひとつでした。そこで原因を全員で話し合い、C・Dドライバー予選で新たに試したセットが良い方向に働き、手応えを得られたのは大きな収穫です。

まだ細かい部分では合わせ込みが必要ですが、最後まで諦めず、チーム全員で意見を出し合いながらベストな状態に持っていきたいと思います。明日は最終戦。なんとか良い結果につなげ、武夫さんを表彰台に上げられるよう、チーム一丸で全力を尽くします」 

11/16 決勝


決勝:3位

今回のスタートドライバーは武夫さん。序盤から落ち着いた良いペースで周回を重ね、4周目に41号車をパスして7位から6位にポジションアップ。その勢いのまま884号車も1コーナーでクロスラインから抜き、5位に浮上しました。

レジェンドらしい圧巻の走りに、ピットは大きく沸きました。その後41号車に抜き返される場面もありましたが、着実に規定周回数を消化し、伊藤慎之典選手(以下、伊藤くん)へバトンタッチ。伊藤くんが粘り強く順位を引き上げ、私にステアリングが渡る頃には2位争いが視界に入るところまで来ていました。

しかしここで、私に思わぬ試練が待っていました。今回のセットは満タンでの走行が想像以上に難しく、序盤から車をコントロールするだけで精一杯で、なかなかペースを作れません。さらに最初の1周目はタイヤが驚くほど冷えており、混戦の中で効率よく温めることもできず、これまでに経験したことのない想定外の出来事が次々と重なっていきました。

 

「一度でいいからこのセットで満タンの練習をしておきたかった。次回の課題」。そんな思いでいっぱいになりました。

一方で驚いたこともありました。57台の混走にも関わらず、他クラスのドライバーたちは予想していたよりもずっと丁寧で、車1〜2台分ほどスペースを空けてパスしてくれる走りでしたこれまで接触しそうなギリギリの距離まで寄ってくることも多かったので、正直「なんて平和なんだろう」と思わず動揺してしまうほど。

そこへ60号車が速いペースで追い上げてきて、最終的に抜かれてしまい私は4位に後退。最後まで自分のペースをつかめないまま規定周回数を終え、藤原大暉選手(以下、大暉くん)にステアリングを託しました。

そこからの大暉くんは、とにかく速かった! SUPER GTドライバーとしての実力を存分に発揮してハイペースで周回を重ね、前を走る60号車と激しい3位争いを続けました。差は常に1秒前後。すでにコースは暗くなり始め視界も難しくなるなか、粘り続けて最後の2分。

1コーナーでついにオーバーテイクを成功!3位に浮上しそのまま0.4秒差でチェッカーを受け、久しぶりの表彰台を獲得しました。

チェッカーが振られた瞬間、チーム全員が抱き合って涙を浮かべました。 武夫さんをどうしても表彰台に上げたい というみんなの願いが叶った瞬間、胸の奥が熱くなりました。本当に長い苦しみと葛藤から解放されたような、特別な時間でした。

【ドライバーコメント】

浅野 武夫

「最終戦で表彰台に上がることができ、とても感動しています。メカニック、 スタッフ、ドライバー、みんなの力が一つになった結果だと思います。本当 に感無量です」

伊藤 慎之典

「正直、予選が終わった段階ではマシンセットに自信が持てなかったのです が、その後のセット変更が本当にうまくいって、決勝では良いペースで走る ことができました。最後に大暉が最終ラップで抜き切ってくれて、表彰台に 上がることができて本当に良かったです。1年間応援ありがとうございまし た」

三上 和美

「武夫さん、伊藤くん、大暉くん、そしてメカニックやスタッフのみんながノーミスで素晴らしい仕事をしせてくれたおかげで、久しぶりに表彰台に戻ってくることができました。本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。チーム全員が「武夫さんを表彰台に上げたい」「喜ぶ姿を見たい」という同じ思いで戦い、その強い気持ちが形になった3位表彰台でした。この瞬間に立ち会えたことに心から感謝しています。 私は間が空いた影響もあり、感覚を完全には戻し切れませんでした。マシンへの合わせ込みも詰め切れず、もし自分がもう一段仕上がっていれば、確実に2位が狙えていただけに悔しさは残ります。それでも、この最終戦で自分の課題が明確になり、来年に向けてやるべきことがはっきり見えたことは大きな収穫だと感じています。この悔しさは“来年の飛躍の燃料”として持って帰ります。 今回のレースでは、チーム全員の気持ちが本当に一つになっていました。こんなに強い一体感の中で同じ目標に向かえるチームは、なかなか出会えるものではありません。浅野レーシングの一員として走れること、武夫さんというレジェンドから日々多くを学べること、そして伊藤くんや大暉くんのような才能あふれるドライバーと一緒に戦えることに、改めて恵まれた環境にいるのだと強く感じました。 この一年間、応援してくださったスポンサーの皆さん、ファンの皆さん、そしてチームの皆さん、本当にありがとうございました。レースを支えてくれたオフィシャルの皆さんにも心から感謝しています。来年は今年以上に成長した姿で必ず戻ってきます。引き続き全力で頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします!」

【チームよりお知らせ】
スーパー耐久レースレポートが、Cドライバー三上和美の執筆によって
モータースポーツ情報サイト&Raceコラム – &Race (andrace.jp)に掲載されております。ぜひご覧ください!

藤原 大暉

「自分にバトンが渡った時、ピットの関係で4番手までポジションが上がっていて3位の車がずっと見えていましたが、追いついては離されるの繰り返しで本当に悔しい気持ちでした。それでも諦めずに走っていたら、最後の最後でチャンスが来て思い切って飛び込んだ結果、抜くことができてとても嬉しいです。 チェッカーを受けた時、武夫さんが喜んでくれていたのが本当に嬉しくて、伊藤選手も三上選手もバトンをつないでくれて、みんなのおかげで表彰台に上がれたと思っています。ありがとうございます!」

Copyright (C) weds co.,ltd. All Rights Reserved.

Official SNS